「第67回全日本9人制バレーボール実業団大会に出場して」 北陸電力 上野 利克
暑い日差しが照りつける今年7月25日〜28日に四国の愛媛県松山市で開催された全日本9人制バレーボール実業団男子選手権大会に出場した。毎年本大会は試合も然ることながら猛暑との戦いでもあり、非常に体力が要求される大会である。
さて、試合の方であるが、初日は予選リーグ戦ということで、地元愛媛県の第2代表の帝人松山と対戦した。第1セット、第2セットともに常に得点を先行する優位なゲーム展開で、21-9、21-13と圧勝した。何よりも良かったのが、過去には第1セットを大差で先取した後、第2セットは逆に苦しい展開となる場合があったが、今回は全く崩れることなく第2セットを連取することができた。
余談になるが、試合が第一試合であり、午前中で試合が終わったため、午後から日本三古湯の一つといわれる道後温泉でゆっくりすることができた。全国大会での観光は随分と久しぶりだと感慨深かいものがあった。
大会2日目は決勝トーナメント1回戦で茨城県代表の日立佐和と対戦した。前日の試合同様に第1セット、第2セットともに常に得点を先行する優位なゲームを進めることができ、全く危なげなく21-14、21-11と快勝した。続く2回戦では、本大会第2シードの大阪代表の住友電工(今大会準優勝)との対戦である。
住友電工は国体強化時代には友好関係を築いたチームであるが、公式試合では1度も勝ったことがない。国体から9人制バレーの種目が廃止になってからは疎遠となり、メンバーやスタッフも大きく様変わりしているものの、実力はそのまま健在である。
第1セットは少し意識し過ぎで固くなったのか4点連続で失点したものの、少しずつ本来のペースを取り戻しほぼ互角の攻防が続いた。終盤では18-19まで追い上げたが、出だしの4連続失点が響き先取された。第2セットでは出だしは先行したものの、すぐに追いつかれ徐々にリードを許してしまった。途中4連続ポイントで粘ったものの16-21で押し切られてしまった。ファーストサーブがなかなか入らず連続得点できなかったのが大きな敗因である。
試合結果は0-2でストレート負けを喫したが、内容的にはサーブ以外の攻撃・守備面では決して引けをとっていなかった。このような強豪チームと対戦するのは若手には大変良い経験になったし、ベテランもまだまだ出来る自信にも繋がったと思う。
また、今回の大会では他チームの馴染みの指導者から「昔の”北電バレー”に戻った」と声を掛けてもらったりもした。今後も厳しいチーム事情ではあるが、ベテランの奮起と若手の更なる加入により、”北電バレー”が継続そして進化できるように頑張っていきたい。
全日本6人制バレーボールクラブカップ選手権大会に出場して
今年のクラブカップは、私たちにとって4度目の挑戦となりました。社会人女子バレーボールチームは、長い間同じメンバーでプレーし続けることは容易ではありません。結婚、出産などで、メンバー不足の危機に陥りながらも、バレーボールが大好きな仲間を増やし、これまでやってきました。
富山県予選では、普段は控えの選手もコートに立ち、全員バレーでクラブカップへの切符を手にしました。過去3年間の出場において、ベスト16で涙をのんだこともあり、このときチーム全体が「今年こそは絶対ベスト8に入りたい」という思いを強くしました。しかし、北信越大会では、なかなか自分たちのペースで試合を展開することができず、他県のチームにあっさり敗れてしまいました。その悔しさや焦りを原動力に、クラブカップ当日までそれぞれ仕事との両立をしながら練習に取り組んできました。しかし、夏に向けて暑くなっていく体育館の中で、現役学生の頃のように動けない自分たちの体力を痛感し、さらに焦る気持ちが強くなることもありました。
そんな中迎えたクラブカップ本番。初日は、仕事の都合で全員参加することはできませんでしたが、順調に予選を勝ち抜き、全員揃って決勝トーナメントへと駒を進めることができました。翌日、初戦の奈良県「畝傍クラブ」に勝利し、いよいよ私たちの目指すベスト8が見えてきました。対戦相手は兵庫県「神戸親和女子大学」。私たちが恐れていた現役大学生です。「自分たちらしいプレーを!」みんなで気合いを入れて試合に臨みましたが、相手はさすがの大学生。なかなかスパイクを決めさせてもらえず、一進一退の試合展開が続きました。体力面では、確実に相手チームより劣ることが分かっていたので、試合が競れば競るほど、短期決戦にしなければという思いが強まります。そんな焦りからか、点差を詰められ、何度もジュースになりました。最後は粘り強いレシーブのつなぎで、何とか1点を先制し、1セット目を先取することができましたが、タイム中みんなの体力が残り少ないことは、誰が見ても明らかでした。しかし、体力面における不安よりも、現役大学生から1セット取ったという自信は、「絶対に勝ちたい」という思いを、さらに強くさせました。2セット目が始まると、こちらのプレーに慣れた相手チームは、さらにレシーブの精度をあげ、1セット目よりもさらに苦しい試合展開となっていました。スパイクが決まらなくなってくると、いつもなら「もしかしたら・・・」という弱気な思いが頭をよぎりますが、この日の私たちは違っていました。「勝ちたい」という強い思いが、体力を超えて私たちの足を動かしたのだと思います。ジュースを繰り返した終盤には、「みんなで楽しんでいこう」と声をかけ合い、やっとの思いで、神戸親和大学に競り勝つことができました。29−27になった瞬間のあの高揚感と一体感は、忘れることができません。
翌日のベスト4をかけた「和歌山教員」との試合では、素早いコンビバレーの前に適わず負けてしまいましたが、このクラブカップを通して、仲間と協力し、目標に向かって頑張ることの素晴らしさを改めて実感することができました。コートに立つ立たないに関わらず、思いをひとつにしてやり抜くことこそ、全員バレーだと感じました。共に戦い抜いた仲間やそれを支援してくださった多くのみなさまに感謝したいと思います。本当にありがとうございました。